長野

野沢温泉スキー場

パウダースノーのクオリティの高さは世界的に有名。

日本の古き良き時代を感じさせてくれる村の雰囲気は、野沢温泉の大きな魅力

日本にスキーが伝わったとされる1911年の翌年に、野沢温泉の斜面でスキー滑走したと記録が残されているが、野沢温泉スキー場としての営業は1924年からと、その歴史は長い。また、1998年の長野冬季オリンピックではバイアスロンの会場となった。
伝統が染み込んだ独特なスキー文化を持っているオーストリアのトップリゾートのSt・Anton(サンアントン)と野沢温泉は姉妹都市を結んでいる。1930年、ハンネス・シュナイダーがアールベルクスキー技術を教えることで、現在の野沢のスキーの歴史と文化が作り上げられたと言っても過言ではない。 毛無山(1650メートル)山頂から麓まで標高差1085m、総ゲレンデ面積は297ヘクタールを誇り、天然雪の雪質とその量の多さは日本ではトップクラス。2020年12月には、山麓の長坂エリアからやまびこエリアを直線でつなぐ最新モデルの10人乗りゴンドラを80台導入 し、上ノ平ゲレンデとやまびこゲレンデDコースには、補雪のために機ほどの人工降雪機を設置するなど、常に先進的な投資を続け、現在では世界トップクラスのスノーリゾートとして、国内はもちろんのこと、世界各国からすべりに訪れる。 野沢温泉はオールシーズンリゾートとして、2017年夏にスポーツパークをオープン。日影ゲレンデに全長652m高低差122mを駆け下りる「ジップスカイライド」、全長500m幅30mの「サマーゲレンデ」、家族で遊べるアスレチック「ナスキーパーク」など、新たなアクティ ビティ施設が誕生している。 2021年春には、長坂ゴンドラやまびこ駅周辺を自然の中で親しめる公園にする計画があり、遊歩道やウッドデッキなどを備えたカフェを整備し、グリーンシーズンの誘客に向け た取り組みを実施している。 野沢温泉村はゲレンデのふもとに位置し、国内外から訪れる人に居心地のいい快適な環境を提供しながらも、日本の伝統的な温泉地の雰囲気を維持するために努力している。

新長坂ゴンドラリフト

2020年12月には、山麓の長坂エリアからやまびこエリアを直線でつなぐ 最新モデルの10 人乗りゴンドラを80台導入。また、上ノ平ゲレンデとやまびこゲレンデDコースには、補雪のために15機ほどの人工降雪機を設置するなど、常に先進的な投資を続けている。新長坂ゴンドラリフトのリニューアルに伴いサマーシーズンの施設もリニューアル。「ガーデンゾーン」と「ナチュラルゾーン」のふたつのエリアに分かれ、冬とは違った野沢温泉の景観や自然を満喫できる。夏のアクティビティとして、MTB コースや野沢温泉の村内を一望できる小毛無展望台、遊歩道などの整備を行ない、新たな野沢温泉のグリーンシーズンの魅力を発信する。

トレイル

天然のパウダースノーに恵まれ、初心者にも上級スキーヤーにも最適な36種類のゲレンデから構成されている。スキーやスノーボードに慣れていない方や家族連れの方には、上ノ平がオススメ。日影ゴンドラと長坂ゴンドラのどちらからもアクセス可能で、広いエリアに緩い傾斜のゲレンデ、そしてスノーパークを備えている。スノーパークでは、パークならではのエキサイティングなアクティビティが楽しめる。そのためスノーボーダーやフリースタイルのスキーヤーにはとくに人気がある。この他、やまびこエリアにはスカイラインコースがあり、この全長3,500mのコースは、山頂から山の尾根に沿ってベースエリアまで伸びるコース。中級から上級のスキーヤーの他、スノーボーダーにもオススメ。すべりのスキルがあれば、シュナイダーコースに挑戦するという手もある。傾斜が急でコブの多いコース。温泉街とスキー場を結ぶ便利な動く歩道「遊ロード」を利用して簡単にアクセスできる日陰ベースには、国際的なインストラクターから指導を受けられるスキー・スノーボードのスクールのほか、遊び場や楽しいアクティビティを複数備えたキッズパークもある。

上ノ平スノーパーク

全長約2kmのスノーパーク内には、キッカー、ボックス、レール、ハーフパイプ、ウェーブなどのアイテムが多数設置され、様々なレベルに対応。つねに専門のパーク管理人がアイテムの整備・管理を行なっているので、安心してパークライディングを楽しむことができる。ハーフパイプは上ノ平ゲレンデ下部に設置されている。

スノーシュー

上ノ平ゲレンデ脇には「スノーシュー専用コース」があるので、澄み切った空気の中、野沢温泉の広大な自然をゆっくり散策することができる。ゲレンデでは見ることができない景色や、カモシカやウサギなどの野生動物と出会えるかもしれない。また、野沢温泉スキースクールでは、「ブナの森自然散策スノーシューツアー」も受付をしている。 TEL:0269-85-2623

遊ロード

遊ロードは動く歩道で、伝統的な温泉街の野沢温泉とスキーリゾートの日影ゲレンデの麓を結んでいる。1994年に作られたこのチューブ型の構造物は、宇宙的なタイムトンネルを思わせ、降りた時の別世界感はなんとも言えない。屋根付きの遊ロードはウィンタースポーツアドベンチャーへの出発点としてとても便利で、リフトと違って無料。ユニークな撮影スポットも何か所かある。

宿泊施設

スキー場を作る目的で野沢温泉村はできたわけではないので、村内には大きなホテルといった宿泊施設は存在しない。独自の温泉文化がベースになっているので、伝統的な日本旅館や民宿、そして小さな洋風ホテルが宿泊施設になる。和室はかなり一般的な設備なので、畳の床と布団で日本の伝統的文化を味わうことができる。

スノーキャットツアー

スノーキャット(雪上車)は、もはや単に積もった雪を片付けるためだけの道具ではない。このスノーキャットに乗って、冬季は通常立ち入ることができない手付かずの山頂付近を探索することができる。とくに、ウィンタースポーツが苦手な人にとっては、雪で覆われた真っ白な美しい景色を眺めることができる素晴らしい方法。スノーキャットで森の中を走行しながら、ニホンカモシカやウサギなどの野生動物に出会えることも。ライドは約45分間で、16名乗車可能なので、家族や大人数のグループでも楽しめる。

レンタル白樺

温泉街からアクセスの良い「日影ゲレンデ」内に位置し、利便性抜群。初級者から上級者向けまで、レベルや使用シーンに合わせてすべてのマテリアルを揃えている。アクセサリーの販売やワクシング、預かりサービスもやっている。今シーズンからスマホなどからオンライ ンでレンタルを申し込めるシステムを導入。新型コロナ感染に対する密回避のために、レンタルはこちらのQR コードから事前申し込みを!

ゲレンデ食堂

ゲレンデ内には、和食・洋食・ラーメン・軽食・喫茶と数多くの飲食を扱うお店がある。
◆やまびこエリア:「喫茶ダンケ」「レストハウスやまびこ」「喫茶 セアヴス」
◆上ノ平& パラダイスエリア:「上の平ロッジ」「ロッジハクギン」「パノラマハウスぶな」「太郎小屋」「上ノ平山荘」
◆ユートピア 伊勢宮エリア:「ユートピア食堂」「カシミールハウス」「ロッジでんべえ」 「三井食堂」 ◆日影エリア:「グリーンハウスマルトミ」「ONEDAY」「サン・ヤマキ」「カフェ & レストオリーブ」「食事処かずみ」「久保田食堂」「山のホテル大瀧レストラン」「食処河廣」「CAFÉ STEP」「レストランカントリーパパ」「レストハウスげんたろう」「睦ジュエ」「野沢温泉スパリーナ内シャンテル」
http://www.nozawaski.com/winter/facilities/meal.php

スキー博物館

教会のような外観の日本スキー博物館は典型的なヨーロッパの山小屋風の建物に囲まれている。エリア全体を歩いてみると、中心に丸い噴水のあるオーストリアの村を歩いているような気分になる。博物館は世界でもっともポピュラーなウィンタースポーツのひとつ、スキーの辿った変遷について詳細な内容を伝えてくれる。展示はふたつのフロアにまたがり、6つの部分に分かれている。アジアのいくつかの地域の古いスキー道具を眺めたり、スキーの発展や服装の変化について学んだり、歴史的文献を読んだり、ポスターや地元の才能ある選手たちが冬季オリンピックで獲得したメダルなど多数の記念品を見たりすることができる。高松宮殿下が所有されていたスキー板の実物も展示されている。日本スキー博物館は、日本や世界におけるスキーの歴史を知るには間違いなく最適な場所。

スキーは、オーストリア=ハンガリー帝国の元将校であったテオドール・エードラー・フォ ン・レルヒによって、1911年1月に長野県の隣の新潟県に伝えられた。当時スキーは主として軍人がするもので、一本のストックだけで前進していたため、操るのはかなり困難だった。それから20年近くたってようやく、オーストリアのスキーの名手ハンネス・シュナイダーによってアールベルクテクニックと呼ばれるスキーの技法が伝えられた。著書「Wunder des Schneeschuhs (スキーの驚異) 」が日本で出版された後、シュナイダーは1930年に秩父宮雍仁殿下に招かれ、2本のストックを使うエレガントなスポーツとなっていた新しい近代スキーの技法を説明し披露した。この時に、この新しい近代的なスキー技術のデモンストレーションの場となったのが野沢温泉スキー場。そしてこれを契機として、日本にプロフェッショナルなアルペンスキーが根付いた。

ハウスサンアントン

野沢温泉の中心にある商店街、大湯通りをぶらぶら歩いていくとハウスサンアントンがある。その外観は典型的なオーストリアの村の建物で (ハウスサンアントンの名もここからきている) 、ホテル、ジャム工場、レストラン、カフェが一緒になっている。ホテルの客室は全部で13部屋。素晴らしい内装は居心地の良い雰囲気とモダンな特徴を併せ持ち、ヨーロッパの山小屋に雰囲気が似ている。ここに泊まらないとしても、レストランのディナーは味わう価値がある。ここでは、スキーの元チャンピオンであり、リッツカールトン大阪の「ラベ」で修業した片桐健策氏が、新鮮な地元食材と厳選した輸入食材を使って、フランス料理に日本の伝統的料理法を組み合わせたクリエイティブな料理を供している。野沢温泉のノスタルジックな魅力と、日本の大都市のモダンな雰囲気が融合されたコースは特にオススメ。一方、居心地の良いカフェもあるジャムファクトリーは、ちょっと休憩するのにぴったり。軽く何かを食べたい時は、長野名物の「お焼き」を食べてみよう。野沢温泉では、発酵させた小麦粉生地で作った皮の中に、地元で栽培されている人気の葉物野菜、野沢菜などを混ぜたジューシーな具を入れている。その他にもいろいろなパン、地元の果物で作ったアイスクリーム、様々な種類のコーヒーなどがある。無添加の美味しい手作りジャムや、季節のジュースの試食品が試食テーブルいっぱいにのっているので、遠慮しないで試してみよう。お土産にぴったりなものや、自分の朝食メニューに加えたいものが取り揃えられているので、手ぶらでお店を出ることは間違いなくないだろう。

おやき

味噌や醤油で味付けされた 野菜を小麦粉に詰めた、長野県の伝統料理。詰める中身は地域によって異なるが、野沢温泉で一番の人気は野沢菜のおやき。

マイクロブルワリー里武士

一日雪の中で過ごして、あるいは温泉に浸かった後で、どうしてもビールが飲みたくなったら、外湯の大湯の真正面にあるクラフトビールのブルーパブ(ブルワリー直営パブ) に行かない手はない。イングランド人と日本人のカップルが経営するタップルームには、ホップが欲しくてたまらない人が20人ほど入れる。小さな立ち飲みバーといった風情があり、他の旅行者や地元の人たちに混じって飲むのにぴったりの場所。ブルワリーは地元の天然の湧き水と、地元産あるいは輸入された上質のオーガニックの原材料を使って、独自のタイプの ビールを作っている。いろいろな系統のイースト菌やバクテリアを試しつつ、基本を守りながらも新しいビールを考案しているので人気がある。多彩なメニューの中から4つのお好みのタイプのビールが選べるテイスティングセットを頼んでみるのがオススメ。ビールに合うおつまみもあり、グループの中の未成年の人には、地元産の果物を使ったハウスサンアントンの自家製ジュースも楽しめる。

ふるさとの湯

この「ふるさとの湯」は麻釜(おがま)に行く途中の斜面に位置しており、非公式の14番目の外湯として数えられている (入場料が必要)。2011年に建設されたこの伝統的な木造建 築は、この小さな村の雰囲気や歴史と完璧に調和している。この温泉は、源泉から自然に湧出した温泉水が常時流れ込む、源泉掛け流し温泉。他の外湯と比べて、この現代的な温泉施設はより広々としている。男湯、女湯のそれぞれに露天風呂がひとつ、そして熱湯(摂氏44度から45度)とぬる湯(摂氏42度から43度)から成る温度の異なるふたつの内湯がある。石鹸、シャンプーなどの基本的なアメニティは備え付けられ、シャワーブースも利用可能。

麻釜

野沢温泉の必見の場所のひとつが村の共同の野外キッチンである麻釜。野沢温泉の30の源泉の中でもっとも熱い源泉から名前をとり、斜面の一番上にある。麻釜には摂氏90度の湯気が出るほど熱い鉱水が止めどなく流れ、5つの大きさの異なる湯溜まりがある。村民たちはその湯を洗い物や、野菜や卵を茹でるのに使っている。ミネラル分が豊かなお湯は、食べ物に驚くほどおいしい風味を加えくれるとのこと。とくにこの地域の特産品である野沢菜は温泉で茹でると、えぐ味が消えると言われている。麻釜を利用ができるのは地域の人々に限られており、安全上の理由から、訪問客は湯溜まりに近づくことはできない。しかし、それでも十分近い距離からその光景を見ることができる。この地域の名物にもなっている温泉卵を味わうには、麻釜と湯らりを結ぶ路地を歩こう。湯らりには数ある町の足湯のひとつと、予め購入した卵 (路地沿いのお土産物店で買うことができる)を茹でるための湯船がある。卵が食べられるようになるにはおよそ20分必要。野沢温泉には素晴らしい眺めとともにリラックスできる足湯があるので、間違いなく待つだけの価値はある。

野沢菜と健命寺

野沢菜漬けは、少し塩っぽい味とシャキシャキした歯ざわりで人気だが、健康によくビタミンCが豊富。「野沢菜」は、11月初めから半ばにかけて村のあちこちで取り入れが行なわれる。そして、野沢温泉の風物詩ともいわれる「お菜洗い」が始まる。早い年では、初雪も舞っているが、「お菜洗い」は外湯の中で行われる。村民たちはここで世間話をしながら、ていねいに1mほどもある野沢菜を洗う。洗い清められた野沢菜は、大きな桶に漬け込まれる。年が明けて、「道祖神祭り」が始まる頃には、美味なる野沢菜漬けが味わえる。
健命寺の境内へと至る急な石の階段は、大きな針葉樹の木々に取り囲まれており、ここを神秘的であり美しい場所にしている。この禅宗の曹洞宗の古いお寺は、4世紀以上前に山腹に建てられ、地元で栽培される葉野菜の野沢菜の発祥の地と言われている。1756年に8代目住職が研鑽のために京都を訪れ、天王寺蕪というカブの一種の種を持ち帰った。野沢温泉でこの種が播かれるやいなや、元の種類のものよりもずっと葉や茎が大きく育った。この寺の境内には今でも野沢菜畑が残っており、代々伝えられた貴重な宝である「寺種」を購入することができる。

大湯

野沢温泉のシンボルともいえる大湯は、温泉街の中心にあり、江戸時代の趣を現在に伝える美しい湯屋建築が目を引く。外湯は基本的には無料だが、入り口には賽銭箱が置いてあるので、温泉に入って満足できたらなら、小銭を入れたい。大湯の前に足湯が設置されている。

外湯

野沢温泉は江戸時代(1603~1868年)に温泉街として栄えた。当時はアルカリ性のミネラル分の豊富な温泉を飲んだりそれに浸かったりするのはいくつもの病気を治すと言われていた。とくに野沢温泉が誇りにしているのが、外湯と呼ばれる、この地域に点在し、「湯仲間」の地元の家庭が経営する13の共同浴場。こういった浴場の大半は歩いて行ける距離にあり、古く江戸時代からの建築様式に似た木造の建物が特徴ですぐにそれとわかる。施設は落ち着いた雰囲気とひなびた素朴な造りを兼ね備えていて、男性女性それぞれ1室ずつで、10人用くらいの広さの浴槽と脱衣場がある。全ての浴場は、地元の天然の源泉(摂氏40~90度)から絶えずお湯が注がれる源泉かけ流が備わっている。浴槽のお湯の温度は様々だがが、普通は摂氏45~49度。初めての人にはこのお湯はちょっと熱いかもしれないが、その温度に慣れたとたんに、老化防止効 果を謳い、皮膚をすべすべにするその絹のように滑らかで、ミネラル分豊富なお湯から体も心も恩恵を受けるだろう。熱すぎれば、冷たい水を加えて温度を調節することもできるが、あらかじめ他の人にお湯の温度を変えてもいいか聞くことが大切。温泉施設に水着はふさわしくないことをお忘れなく。さらに、浴槽に入る前に、他の人のじゃまにならないように、座ったまま体全体を洗うこと(タオルと石けんをお忘れなく)。この13の共同浴場には入場料はないが、維持費のために寄付してほしい。寄付金箱はそれぞれの浴場の入り口の横に設置。一部の外湯施設の隣にひとつだけ屋内の湯溜まりがあるのを見かけるかもしれないが、これは村民たちが洗濯や野菜洗いなどの日常の作業をするのに用いられているもの。この絵のように美しい、郷愁を誘う町で、浴衣(薄手の綿の着物)を着て、小さな用水路のある狭い路地をそぞろ歩きながら、落ち着いた温泉めぐりの体験を楽しめる。たとえ外湯に入るのに気が進まなくても、そのどれも訪れる価値がある。それぞれのユニークな建物を眺めたり、それぞれの浴場の前にあるチェックポイントでスタンプラリーに参加してみよう。足湯は、5軒の旅館の玄関先にあり、誰でも利用ですることが
できる。

シュナイダー広場 & L’atlier KURA

近代的なアールベルクスキー技法を日本に伝えたオーストリアのスキーの名手、ハンネス・シュナイダーにちなんで名付けられたシュナイダー広場とカフェ&アートギャラリー「L’Atelier KURA」は、観光案内所やバスターミナルに近い街の中心部にある。便利なことに隣り合っているこのふたつの場所は、村を知るには間違いなく最適な場所。シュナイダー広場には、町の成長に貢献した2人の重要人物を称える大きな記念碑がある。青いタイルに覆われた壁には、木製のスキー板とストック一式とハンネス・シュナイダーのブロンズ製胸像が飾られている。1972年に北海道の札幌で開催された冬季オリンピックの公式記念メダルを模した大きな円形のモニュメントも見ることができる。この芸術作品は、著名な前衛芸術家の故岡本太郎氏によってデザインされたもの。そして「L’Atelier KURA」は自家製のパンで人気がある。地元の葉物野菜、野沢菜を細かく刻んだものをマヨネーズで和えてはさんだサンドイッチ「野沢菜マヨパン」を食べてみよう。リノベーションされた古い倉庫を使った2階に上がると、そこは無料のアートギャラリーになっている。

岡本太郎と野沢温泉

国際的に有名なアバンギャルドなアーティスト、岡本太郎 (1911-1996) は、野沢温泉 をしばしば訪れていた。彼は若い頃の大部分をパリで過ごし、とくにパブロ・ピカソの絵に触発されて抽象画を描き始める。岡本のもっとも有名な作品は、大阪万博(1970) のために制作し、多くの人に影響を与えた巨大な「太陽の塔」(1970)。この塔は人類 の過去、現在、未来を象徴しており、日本における有名なパブリックアートのひとつ。1974年、岡本は野沢温泉村がオーストリアのサンクト・アントンの姉妹都市となることを記念する大きな記念碑の制作を任される。この作品は、1972年冬季オリンピック札幌大会のために、彼が以前デザインした公式記念メダルを模しており、世界的なスキーヤーのハンネス・シュナイダーのブロンズ像の隣に設置したもの。岡本はこの記念碑の落成式典に出席した際、自分がこの静かな小村に愛着を感じているのに気付き、冬 期に定期的に訪れるようになる。彼はスキーに興じ、温泉で癒され、道祖神火祭りを楽しんだ。岡本は地元の人に愛され、1991年には村の最初の名誉村民に選出される。野沢温泉の通りを散策すると、岡本太郎の作品やデザインをあちこちで目にすることができる。たとえば、村の観光協会は彼の手書きの「湯」という文字をイメージロゴとして使っているが、このロゴは村の温泉文化を非常によく表現している。

高野辰之記念館/おぼろ月夜の館

おぼろ月夜の館は、20世紀前半に活動していた、日本の有名な作詞家で国文学者、高野辰之 (1876-1947) の業績を称えるための記念館。高野は、国内の小学校で使われている唱歌のいくつかを作詞している。彼が作詞したものには、世代を超えて歌い継がれ、今なお非常に人気のある「春がきた」(1910) 、「もみじ」(1911) 、「故郷」(1914) などの有名な曲がある。高野辰之記念館は館内の1階にあり、著作物、日記、手紙など彼の数々の作品や身の回り品の常設展示室となっている。とくに目を引くのは、彼が使用していたオフィスの実物大のジオラマだろう。高野はこの小さな温泉村で約12年間過ごしたので、野沢温泉とは特別の繋がりがある。1934年以降、1943年に完全に野沢温泉に移住するまで、毎年夏に、麻釜近くの別荘「対雲山荘」に滞在していた。館内2階は展示物が定期的に入れ替わる特別展示室。2階に上がる際には廊下の大きな窓から、村の名産、野沢菜の畑が見える。窓には精巧に作られたステンドグラスがはめ込まれている。3階には休憩所が設置され、カラフルで巨大な灯篭のレプリカが飾られている。この灯篭は通常、毎年1月に行われる道祖神火祭りの際に使われるもの。飲み物やスナックが欲しくなったら1階に戻って隣接するカフェで一服するか、またはお土産の買い物をするのもいいだろう。

野沢温泉のつる細工

野沢温泉ではあけび蔓で作った伝統工芸品を見逃すことはできない。とくに有名なのが、温泉卵をゆでるのに使われる小さな編み籠や、地元の有名な民俗玩具の鳩車。あけび蔓は春から秋にかけて近くの標高500~800mの山岳地域の奥信濃に育つ。10月から11月に地元の職 人が山に分け入り、枝1本ずつ手作業で蔓を収穫する。その後、約20分間町の温泉のお湯に浸して、蔓を柔らかく編みやすくする。この古典的な手工芸は江戸時代(1603~1868年)に遡る。当時から柔軟な蔓は背中に背負うカゴや、花カゴや日常的に使う製品にぴったりであることがわかっていた。三久工芸では、多彩なあけび蔓製品を購入できるし、ワークショップに参加して自分だけのお土産品を作ることもできる。ここには異なった2種類のあけび蔓製品があり、赤い色の品物はまだ外皮がついたままで、それに対して薄茶色のものは外皮を剥いでから編んだもので、手触りがより滑らかなのが自慢。

スパリーナ

源泉から湧出した温泉水が常時流れ込む、源泉掛け流しの露天風呂がある野沢温泉スパリーナは、友人や家族、パートナーと一緒にくつろぐことができる。室内風呂と露天風呂が備えられており、野沢温泉の公衆浴場と比べて湯の温度が低いので、とくに温泉が初めての人にオススメ。12月から3月にかけてのピークシーズンは、多くの日帰りですべりに来る人のためのベースキャンプとして、スパリーナは利用されている。この施設は午前6時半にオープンするので、雪山へ出かける前に朝食を楽しむことができる。所持品を全てロッカーに預けて、スノーリゾートに出かけるのもよし、午後1時ごろに温泉施設がオープンするまで、リクライニングチェアを備えたリラックスルームでくつろぐのもよし。手ぶらで来ても、施設で水着やタオルのレンタルが可能。お腹が空いたら、レストランで昼食や夕食をとることが でき、郷土料理や地域の名産、野沢菜を使った料理を楽しむことができる。 夏は、滝や噴水のあるアウトドアプールが子供たちに人気。また、 テラスもおしゃれなビアガーデンに変わる。

木造道祖神人形

道祖神は旅人や街を厄災から守ってくれる神道の守り神で、通常道端や村境、山道などにある。一般的には人の形に彫った小さな石だが、野沢温泉には道祖神の独自の解釈がある。ここの道祖神は、同じ大きさの一対の円筒形の木彫りの人形で、手で彩色されており、夫婦に見える。そして子宝、幸せな結婚、子供の健康などをもたらしてくれる神様として祀られている。伝説によると、この神様はあまり魅力的でないない男女だったが、結婚したところ、男の子に恵まれたといわれている。野沢温泉を歩いていると、あちこちで様々な色とデザインの可愛らしい木製の道祖神が目に入る。村民は小さい道祖神を自宅の神棚にお祀りしているが、玄関の外に飾っている家もある。年に一度、1月15日に行われる道祖神火祭りの日の朝に、人々は道祖神人形を祭りの場に持っていき、大きなかがり火の籠の中に納め、新しい一対を持ち帰る。こうすることによって、ふたりの神様は地元の人たちの縁結びに力を貸してくれると言われている。街中に点在するたくさんの土産店で道祖神を手に入れてみよう。

道祖神祭り

1863年から毎年定例で1月15日に開催されている野沢温泉の道祖神祭は、日本三大火祭りのひとつ。この祭で人々は、村々やその住人達を災厄から保護し、また豊饒、円満な結婚生活、健康な子孫をもたらす道祖神に祈祷する。道祖神は人々を災いから守り、幸せな結婚や子供たちの健康を見守る神。野沢温泉の伝統によって、火祭りの間、村の住人達は道祖神の小さな木製彫像を一杯に入れた籠を匿名で交換し合う。このようにして地域住民の交流を推進する以外にもうひとつ、道祖神火祭りの地域社会への貢献がある。野沢温泉に住む現在25歳と42歳の「厄年」の男性達に幸運をもたらしてくれる。これらふたつの「厄年」のグループが、この祭を取りまとめる中心となり、祭当日の2日前の1月13日に社殿(大きな木造の祭壇)を作るための五本の神聖なブナの木を選ぶ。社殿の建設後、近くの神社から神主が呼ばれ、この社殿に道祖神の魂を授ける特別な儀式が行われる。祭は1月15日の夜に本格的に始まり、村の男が種火から火を付けた松明を手に、社殿への攻撃を開始する。42歳の「厄男」達は社殿の上に座り、歌ったり唱えたりしながら屋根を防御し、25歳の男達はその下で、松の小枝を振りかざして松明の火をはね返し、木造社殿を守る。戦いの興奮が去り、参加者達全てが離れた場所に避難すると、灯篭(子孫の健康と幸運を願う地元住民の家族達によって丁寧に作られた、装飾した竿に付いた大きな灯籠)と共に、社殿は儀式的に燃やされる。美しく装飾されたこの大竿の複製は、おぼろ月夜の館に展示されている。

水尾

野沢温泉村「水尾山」のふもとより湧き出る天然水が、地酒「水尾」の造り水となる。「水尾」という名には、水の源という意味があると言われている。その名のとおり、一年を通して豊富に湧き出る水は、飲んで甘さと透明感を感じる、まさに銘水。「水尾」はこの水の特徴を生かし、香り、味わいともに良質な味わいを実現している。
◆田中屋酒造
TEL :0269-62-2057
URL:http://www.mizuo.co.jp/

Green Season

野沢温泉スポーツパーク

公園や野沢温泉の動く歩道「遊ロード」で直接行くことができる日影ゲレンデの中に、グリーンシーズンに楽しめる野沢温泉スポーツ公園がある.※営業期間は要確認
http://nozawaonsen.co.jp

サマースキー

木々が茂る青々とした山々に囲まれた日影のスキーコースは、グリーンシーズンには刺激的なサマースキーゲレンデに姿を変え、スキーやスノーボードの練習ができる。ゲレンデは長さ500m、幅30mの巨大な白いマットに覆われている。その表面は本物の雪の感触で、カービングターンやグラウンドトリックさえもできる。現地でスキーやスノーボードのレンタルが利用できる。

ナスキー公園

この公園は日影ゲレンデの麓にあり、キッズのパラダイス。奇抜な緑色をした地元の葉野菜の野沢菜の形をした野沢温泉のキャラクター、「ナスキー」から名前を取っていて、多彩なアクティビティが自慢。白い山のようなトランポリン、子ども専用のジップライン、雪のような表面を走るチューブでできた乗り物など、他にも盛り沢山。

ジップライン

日影ゲレンデ上空で、最大20mの高さで時速70kmに達する、全長652mのジップラインに乗ってみよう。他では味わえない環境の中で「飛んで」坂を下りながら、素晴らしい景色を楽しむことができる。

上ノ平高原

長坂駅から長坂ゴンドラ経由で、直接上ノ平高原に行くことができる。ここから息を呑むような野沢温泉とそのユニークな山岳風景を望むことができる。青々と茂ったブナの原生林はこの地域の豊かな自然を体験させてくれる。標高1,400mで、気温が下界より低いので、少し暖かい服装をお忘れなく。自然愛好家なら、7月初旬から8月下旬まで標高1,300mのス タカ湖の岸の隣でキャンプもできる。最大8人までのグループで木製の高床式のバンガローや、定員最大5人の常設テント、あるいは自分のキャンプ用具で宿泊できる。キッチンスペース、コインシャワーとトイレがサイトで利用でき、毛布や調理用具のレンタルもある。キャンプ場の周りにはスリリングなマウンテンバイクのコースも設置されている。

野沢温泉朝市

5月~10月に野沢温泉を訪れるなら、日曜日の朝は早起きをして、6時から7時半まで開かれる朝市に出かけてみよう。この村に13ある外湯はすべて朝5時に開くので、温泉につかった後で朝市を訪れると、楽しい朝の散歩となる。目抜き通り「大湯通り」沿いで開かれるこの朝市では、地元の季節の食材を買うことができる。晩夏や秋には、近隣の果樹園で収穫されたぶどうやリンゴといった新鮮なくだもの、そして春には様々な種類の山菜、そして秋はきのこといった食材が目玉となる。野沢温泉の特産品で、地元の人にも観光客にも大人気の、野沢菜の漬物もお忘れなく。この農産物直売市ではこの他、あけびの蔓細工、郷土玩具、木 工品、お土産品、自家製のジャムなども販売されている。温泉饅頭、野沢菜コロッケ、笹寿司(笹の葉の上に広げられた寿司)、ヘルシーなスムージーなど、特産品を売る屋台や露店も出ている。軽食をつまみながら、色々な露店を覗いて散策されてみては?

北陸新幹線 & 野沢ライナー

2015年3月14日に北陸新幹線が開通し、 東京から野沢温泉までアクセスが便利になった。野沢温泉の最寄り駅は北陸新幹線飯山駅。飯山駅からは、直通バス「野沢温泉ライナー」をご利用することができる。飯山駅から野沢温泉まで約25分。
◆JR-EAST https://www.jreast.co.jp
◆JR-WEST https://www.westjr.co.jp
◆のざわ温泉交通 https:/nozawaonsen.info/nozawa-onsen-liner/

野沢温泉スキー場


〒389-2502 長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷7653

Tel:(0269)-85-3166


http://nozawaski.com

 

野沢温泉観光協会


〒389-2502 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9780

Tel:0269-85-3155


https://nozawakanko.jp

PAGE TOP