山形

蔵王

世界的に有名な樹氷など、最高の雪の景色を楽しむことができる

蔵王温泉は千年以上の歴史がある。1951年にスキーリゾートとしてオープン。スキー場は「美しい風景と雪質抜群のコース」「どんなレベルのプレーヤーでも楽しめる国際的レベルのコースが揃っている」といことで、瞬く間に世界中で話題となった。蔵王には、25以上の異なるコース、40のケーブルカーやロープウエー、スキーリフトが設備されている。蔵王温泉の最大の魅力は、ゲレンデ上部にできる世界的に有名な樹氷。また、スキー場のふもとの蔵王温泉村は、スキーリゾート作るためにできた特別な街ではなく、元々は伝統的な温泉村としての長い歴史をもつ街。今でも、温泉リゾートの風情を醸し出している。
蔵王の温泉は、日本で最も有名な硫黄の温泉場のひとつ。5つの源泉群と47の源泉があり、規模も山形県最大。「強酸性硫黄泉」は美肌の湯としても知られ、周囲を歩くと立ちこめる硫黄の匂いは、温泉街の雰囲気を高めている。街には、旅館など日本の伝統的な宿泊施設が多くあり、公共浴場や露天風呂もあるり、日本全国から観光客が訪れている。
食事に関しては、モンゴルバーベキュー(ジンギスカン)や玉こんにゃく、そばなど、この地域に伝わる特有の料理を味わうことができる。また、日本酒やワインも有名。ウインタースポーツと温泉という最高の組合せを、存分に堪能できるのが蔵王の最大の魅力。

トレイル

蔵王温泉は、日本で最も有名なスキーリゾートのひとつ。標高差は881m。14のゲレンデと12のコースは、エキスパートだけでなく、中級者から初心者まで満足できる。とくに、林間コースは誰もが気持ちよくすべることができる。オススメは、蔵王ロープウェー山麓線から蔵王ロープウェー山頂線に乗り、山頂に広がる樹氷の間をすべりながら名物の樹氷を見ることができる樹氷原コース。ザンゲ坂コースとしても知られる樹氷原コースは最も長いコース。
地蔵山頂駅から約10キロメートルの長さのこのコースは、まず2キロメートルの樹氷エリアを通り抜け、その後、蔵王温泉村まで続く。コースの中央上部から、有名なオーストリアのスキーヤー「トニー・ザイラー(1935年〜2009年)」の名前が付けられた急斜面のザイラーコースをすべることができる。樹氷原コースからさらに山を下り、ユートピアゲレンデと100万人ゲレンデを通って、山の麓近くの横倉の斜面まですべることができる。最初は斜度が少しきついが、初心者でもゆっくりすべれば問題はないだろう。

蔵王三大神

蔵王には、「地蔵尊」「大黒天」「大権現」の3つの神の大きな像が建てられている。「地蔵尊」は、子供の保護者として日本で尊敬されている菩薩クシティガルバの日本名。蔵王地蔵尊は1775年に建てられ、蔵王ロープウェーから簡単にアクセスできるが、冬の間は雪の中から像の頭だけをのぞかせている。
「大黒天」は、鳥兜駅の展望台の近くにある。蔵王への訪問者の安全と観光経済の継続的な発展を願って1980年に建てられた。「大権現」は、2002年に中央高原駅の近くに建てられ、町を災害から守り一年中平和を維持する神として祀られている。

玉こんにゃく& 芋煮

山形独特の丸いこんにゃくをじっくり醤油で煮込んで串刺しにした玉こんやく。醤油の香りと歯ごたえがたまらない、温泉街の店頭で食べられる山形のソウルフード。山形県の名物料理「芋煮」も必ず食してみたい。

ジンギスカン

蔵王高原の看板メニューともいえるジンギスカン。県内産のサーフォーク種のラム肉を使用したジンギスカンを、各店自慢の個性豊かな特製ダレで楽しむことができる。

山形そば

手打ちならではのコシと風味が特長の山形そばは、そば通の間では非常に評価が高い。蔵王温泉街にも毎朝手打ちをして提供している蕎麦店もある

山形の日本酒とワイン

米どころでありブドウの産地でもある山形は、清らかな水と空気にも恵まれ、日本酒やワインの産地としても有名。

山形酒のミュージアム

世界のコンテストで高い評価を得ている山形県内49の蔵元の日本酒を楽しむ「山形酒のミュージアム」と、江戸モダンをモチーフにした店内とリーズナブルな山形の郷土の味を堪能できる「湯けむり屋台つまみ」は注目のスポット。

宿泊施設

蔵王温泉には、規模、スタイルさまざまな宿泊施設がある。たとえば、和の雰囲気の中、温泉にゆっくり浸かってリラックスした時間を過ごしたいなら温泉旅館が最適。ウインタースポーツを楽しみたい人には、ゲレンデ近くにある宿泊施設がオススメ。

蔵王温泉

蔵王温泉は、開湯は1900年前、日本武尊の東征の際、従軍した吉備多賀由により発見された。江戸時代になると、蔵王権現への西側登山口としてにぎわい、早くも総合リゾートとしての様相を呈していた。大正時代には麓の集落と温泉を結ぶ道路の開通や、街灯、駐在所など様々な施設が設置され、観光地としての足がかりを築きはじめる。昭和に入るとスキー場もオープンし、それに伴い、ロープウェー等の設置、観光道路開通など、ますます観光地としてその地位を確立していく。
それらと並行し、古くからの旅館に加え、ホテル・ペンション・民宿等も相次いで開業。東北最大級の総合マウンテンリゾートとして発展していった。
蔵王温泉は強酸性の硫黄泉。硫黄泉には、体内のムコ多糖タンパクを活性化させる働きがあり、体内水分量を増加させ、肌と血管を若返らせると言われている。また、血行促進効果に加え、硫黄泉には表皮の殺菌作用や皮膚を強くする作用があり、「美肌」も促進。血管の若返りと美肌効果は、まさに「美人づくりの湯」。

蔵王温泉の温泉街には3つの共同浴場、4つの足湯、5つの日帰り温泉施設があり、白濁したお湯や、全国でも珍しい足下から湧き出るお風呂など、それぞれに特色のあるお風呂があり、宿泊客だけでなく誰でも温泉を堪楽しむことができる

上湯共同浴場

地元の伝説によると、人々は西暦110年以来、蔵王を訪問していたと言われている。蔵王温泉は、桜を見つけるために派遣された兵士によって発見されたと信じられている。地元の支配者が毒矢で射られ、死にかけて横たわっている時に、その支配者が「死ぬ前に最後に美しい桜を見たい」と兵士に嘆願。
兵士は近くの丘や山々に入って桜を探していると、敵の居場所から焚き火のような煙が立ち上っているのが見え、確認のために行ってみると、それは焚火ではなく温泉の湯けむりだった。そして、兵士は支配者をその温泉に連れて行き、湯に入れると傷が治ったという逸話がある。上湯共同浴場は、そのような昔話に出てくる温泉である。

下湯共同浴場

江戸時代後期(1603〜1868年)から蔵王温泉は周辺地域の観光地となった。万能薬と、その水を信じて、人々は彼らの病気を治癒するために蔵王を訪れた。人々は町の旅館に泊まり、温泉に浸かった。
1860年代まで上湯浴場はあまりにも混雑したので、村は山の脇下に下湯浴場を建設。現在、下湯の建物の外には石碑や足湯があり、その中にはお風呂と同じ温水が流れている。ここの温泉は、宝石類の変色を防ぐために、手や足を温泉に入れる前に取り外すことが大切。

川原湯共同浴場

川原湯は自由流動性の非常に珍しい温泉。通常の温泉は、どこか他の場所で湧き出た温水を配管で引いてきているが、この浴場は、山の上の方から温水が流れ落ちて自然に溜まる場所の上に建てられている。
湯だまりの側面と底部に開いた羽目板から、湧き出た温水が浴槽に流れている。川原湯浴場の水温は変化し、最高50℃まで上がることがあるので、ゆっくりと浴槽に入って、熱さに慣れるまで時間をかけることが大切。ゆっくり浸かると、筋肉をリラックスすることができる。4歳未満の子供たちの湯あたりには注意。

温泉街

蔵王は温泉とスノーリゾートだけではない。1900年の歴史を有する史跡でもある。たとえば町の中心部には、長くて狭い階段の頂上に神社がある。石造りの灯籠が階段の両側に並び、階段を登るのに疲れた人や年配の人を力づけるような言葉が書かれている。
街にはたくさんの小さな石碑が見られる。これらの石碑のひとつは湯女石として知られている。湯女石は、愛人と一緒に自殺した男の物語を伝えていると言われている。男の愛人は風呂の係員の湯女(当時、風呂の係員は本質的に売春婦)だった。男の妻はふたりの死に取り乱したが、弔うために湯女の石碑を建てたと言われている。蔵王観光局は、蔵王温泉を詠った日本の伝統的な和歌を彫った石柱を建て、古い石造りの記念碑とともに、街中で見られるようになった。記念碑の中には、碑文が風化するほど長く立っているものもある。

蔵王こけし人形

こけし人形は、北日本の土産物として有名であり、最初に作られたのは蔵王に近い遠刈田(とがった)温泉だと考えられている。こけしは、明治時代(1867年‐1912年)に蔵王や日本の北東部の他の温泉街に広まっていった。人形はもともと子供のおもちゃであり、温泉への訪問客がお土産として購入されはじめた。
こけしには、色々な大きさがあるが、一般的に独特の単一の形で、主要な胴体部分と球形の頭部できている。こけしは20世紀に入って収集家の間で人気になり、こけしメーカーはこけし職人の作品にサインを入れ始めた。単純な形にもかかわらず、こけしの制作は容易ではなく、木材が伐採された後、制作する前に1〜5年間乾燥させる。その後、旋盤で切り分けられる。残念ながら、蔵王には少数のこけし職人しか住んでいないので、いずれこの伝統はなくなってしまうかもしれない。

吉田茂元首相の側近として終戦から占領期に活躍した白洲次郎。その次郎が建てた山荘が現存している。次郎は昭和26年に49歳で東北電力会長となり、スキーをしに蔵王温泉へ訪れるようになった。そして、スキー熱が高じて建てたのがこの山荘。「スキーはなかなかうまくやれない(やれん)」から名付けられた。

白洲次郎が愛した蔵王「ヒュッテ・ヤレン」

樹氷

蔵王の晴れた日の南斜面には、聳え立った威圧的な白い姿のたくさんの樹氷を眺め、静かなひと時を過ごそうと、地元の人たちや旅行者で溢れかえる。樹氷は「氷霜で覆われた樹木」を意味するが、近寄ったり、樹氷と樹氷の間を歩いたりすることができる。
樹氷はシベリアの砂漠の乾燥した風によって変形したアオモリトドマツの木。この風は日本海を横切って広がり、朝日山脈の頂上を吹き抜け、白鷹丘陵と山形盆地を通過して、氷点下でも凍らない過冷却の雨滴を放出。これらの飛沫が山の雪と溶けあい、蔵王の樹氷が生まれる。
地球規模の気候変動のために、大きさと数が減少しているが、それでも注目に値する光景だ。1月下旬から3月中旬までが樹氷がもっとも成長する時期。ロープウェーが整備されているので、そこからの眺めは誰もが感動する光景。樹氷は気象条件によって変わり、見るのにもっともいい時間帯は、朝の寒い時だろう。

霧氷

樹氷よりさらに下に、風に吹き飛ばされた氷で満たされた木立が集まっている森がある。この木立は、凝縮した水蒸気が凍結空気にさらされ形成されている。草や葉の茎の上の露はゆっくりと凍結する。つまり、露は半透明の氷になり、銀細工のように光を屈折させキラキラと光る。この白光した木立が霧氷と言われる。
この霧氷は、樹氷がもっとも見応えのある時期に絵になる。どちらもメインの樹氷原コースからすべって簡単にアクセスできる。ロープウェーからの眺めも素晴らしい。霧氷と樹氷は気象条件によって変わるが、見るなら朝の寒い時がいいだろう。

樹氷のライトアップ

夜、ライトアップされた樹氷をロープウエーから、山頂駅展望台から見ることができる。闇の中に浮かびあがる色彩豊かな樹氷の幻想的なシーンは圧巻!

Green Season

トレッキング・コース

蔵王は冬を通じて幻想的に美しい場所だが、その美しさは山が雪に覆われている数カ月だけではない。一部のロープウェイは一年中運転されており、山は夏と秋にはハイキングのためにとくに美しい姿を見せてくれる。注目すべきコースには、お釜火山湖(五色沼)、不動滝、蔵王国定公園などが含まれている。ウインターシーズン以外の公園への訪問者は以下を注意すること:
暖かい季節に蔵王を訪れる際は、十分な水(1.5〜2.0リットル/人)を持って行き(天気予報が雨でなくても防水着携行)、適切な服装を着用し、予定のコースと目的地、予定の帰還時刻を宿泊施設のスタッフなどに知らせること。歩道から外れない。自分で作成したルートで山に登らない。そして野生生物を尊重する。狩猟、釣り、標本採取は不許可。同様に、あなたの存在の痕跡を山の上に残さない。キャンプは指定された場所でのみ許されている。

蔵王索道協会

〒 990-2301

山形市蔵王温泉字土合709-1蔵王温泉観光(株)

023-694-9617

http://www.zao-ski.or.jp

蔵王温泉観光協会

〒990-2301 山形市蔵王温泉708-1

TEL:023-694-9328 FAX:023-694-9327

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