たとえば、アメリカのトップスノーリゾートでは、小学生と70歳以上の人のリフト代金は無料。70歳以上の日本人でも、パスポートを見せれば無料になる。まさしく、プレーヤーの年齢の幅を広げる取り組みをしている。
フランスでは、スノーリゾートが観光的にも大きな産業であり、国もいろいろな面で補助金を出している。また休日に、大勢の人が一度にリゾートに押しかけてしまうと、交通機関はもちろん、スキー場であればリフトも混雑するので、国が街ごとや週ごとに、休暇のバランスをコントロールして、リゾートに長期滞在できるようにしている。
日本の休暇制度の在り方は、ウィンタースポーツのみならず、スポーツ全体にも影響している。まだまだ休暇を取りにくい社会だと言われているので、少なくとも休みを取りやすくし、しかも分散して取れるようなシステムを構築していけば、状況はいろいろ変わってくるのではないだろうか。最近のテレワークやワーケーションなどは、ひとつの起爆剤になることを期待する。
日本のGNPは世界でも依然としてトップレベル。そういう休暇制度のシステムをうまく組めば、家族が楽しく健康にスノースポーツに取り組めたり、雪国へ旅行できるだろう。
雪のない国の人たちは、最初は雪そのものに憧れ、その憧れが、「スノースポーツをしてみよう」という気持ちにつながることが多いようだ。今後さらに雪やスノースポーツを目的に日本へ訪れる外国人が増えることだろう。
外国人が雪を楽しみに冬の日本へ来ることは大変ありがたいこと。しかし、こんな楽しいスノースポーツを外国人だけのものにしていいのだろうか? もっと我々の身近なものにしていこうではないか。スノースポーツは、実はたくさんの運動量をこなすことになり、頭脳の働きやメンタル面にもよい影響を与えてくれるという。しかもスノースポーツは家族で一緒に楽しめる数少ないスポーツであり、旅としての大きな魅力もある。
さあ、この冬は雪山へ。「スノースポーツを楽しむ」、「雪山の大自然を堪能する」、「温泉に入って癒される」、「地元の食材を使った料理を味わう」。これらをたらふく堪能しなかったら、日本人として〝人生もったいない!と思いませんか?