YUKIマガジン創刊!!/ Vol.1 野沢温泉特集

 

野沢温泉特集!!

スキー場を紹介してくれるガールズ。

パウダースノーのクオリティの高さは世界的に有名。日本の古き良き時代を感じさせてくれる村の雰囲気は、野沢温泉の大きな魅力。

日本にスキーが伝わったとされる1911年の翌年に、野沢温泉の斜面でスキー滑走したと記録が残されているが、野沢温泉スキー場としての営業は1924年からと、その歴史は長い。また、1998年の長野冬季オリンピックではバイアスロンの会場となった。
伝統が染み込んだ独特なスキー文化を持っているオーストリアのトップリゾートのSt. Anton(サンアントン)と野沢温泉は姉妹都市を結んでいる。1930年、ハンネス・シュナイダーがアールベルクスキー技術を教えることで、現在の野沢のスキーの歴史と文化が作り上げられたと言っても過言ではない。
毛無山(1650メートル)山頂から麓まで標高差1085m、総ゲレンデ面積は297ヘクタールを誇り、天然雪の雪質とその量の多さは日本ではトップクラス。2020年11月には、山麓の長坂エリアからやまびこエリアを直線でつなぐ最新モデルの10人乗りゴンドラを80台導入し、上ノ平ゲレンデとやまびこゲレンデDコースには、補雪のために15機ほどの人工降雪機を設置するなど、常に先進的な投資を続け、現在では世界トップクラスのスノーリゾートとして、国内はもちろんのこと、世界各国からすべりに訪れている。

長坂ゴンドラ

2020年12月、最新型の10人乗りゴンドラ80台が導入され、山麓の長坂エリアとやまびこエリアが直結する(全長3,129m、高低差789m、乗車時間片道約8分): 全長:3,129m、高低差:789m、乗車時間:片道約8分)。広く開放的な客室には、クッション性の高い本革シートを採用し、シート幅は1席あたり46cmと、乗客同士の肩の段差を解消。これにより快適な乗り心地を実現している。また、野沢温泉のイメージカラーである青を基調とした革張りのシートがアクセントとなり、ゆったりとくつろげる。夏季にはスケルトンフロアの特別キャビンも登場する。やまびこゲレンデの上ノ平コースとDコースに約15台の人工降雪機を設置して雪を補うなど、先進的な投資を続けている。キッチンシーボスは、長坂ゴンドラやまびこ駅に最も近いレストラン!専用窯で焼く焼きたてピザは必食!2階にはオリジナルメニューが豊富な「レストハウスやまびこ」がある。
https://youtu.be/UMnB1oDGx1Q

 

トレイル

長坂ゴンドラと長坂ゴンドラのどちらからもアクセス可能で、広いエリアに緩い傾斜のゲレンデ、そしてスノーパークを備えている。スノーパークでは、パークならではのエキサイティングなアクティビティが楽しめる。そのためスノーボーダーやフリースタイルのスキーヤーには特に人気がある。このほか、やまびこエリアにはスカイラインコースがある。この全長3,500メートルのパウダースノーコースは、山頂から山の尾根に沿ってベースエリアまで伸びるコース。中級から上級のスキーヤーのほか、スノーボーダーにもオススメ。すべりのスキルがあれば、シュナイダーコースに挑戦するという手もある。傾斜が急でコブの多いパウダースノーコース。温泉街とスキー場を結ぶ便利な動く歩道「遊ロード」を利用して簡単にアクセスできる日陰ベースには、国際的なインストラクターから指導を受けられるスキー・スノーボードのスクールのほか、遊び場や楽しいアクティビティを複数備えたキッズパークもある。

野沢温泉を歩く!!

モデル/マリナ

シュナイダー広場/Schneider Square

近代的なアールベルクスキー技法を日本に伝えたオーストリアのスキーの名手、ハンネス・シュナイダーにちなんで名付けられたシュナイダー広場とカフェ&アートギャラリー 「L’Atelier KURA」は、観光案内所やバスターミナルに近い街の中心部にある。シュナイダー広場には、町の成長と評判に貢献した2人の重要人物を称える大きな記念碑がある。青いタイルに覆われた壁には、木製のスキー板とストック一式とハンネス・シュナイダーのブロンズ製胸像が飾られている。1972年に北海道の札幌で開催された冬季オリンピックの公式記念メダルを模した大きな円形のモニュメントも見ることができる。この芸術作品は、著名な前衛芸術家の故岡本太郎氏によってデザインされたもの。そして「L’Atelier KURA」は自家製のパンで人気がある。地元の葉物野菜、野沢菜を細かく刻んだものをマヨネーズで和えてはさんだサンドイッチ「野沢菜マヨパン」を味わうために早くから並ぼう。リノベーションされた古い倉庫(日本語で「蔵」)を使った2階に上がると、そこは無料のアートギャラリーになっている。

えんま堂/Enma-Do

えんま堂の建築年は不詳ですが、かなり古い年代に建てられたもので大正時代に大改修された。木造、平屋建、入母屋、元茅葺、桁行2.5間、梁間2間、壁には10体の十王像が安置されている。入り口には戸が無く誰でも参拝できるような構造で、当時は子供の遊び場などにもなっていたそうだ。えんま堂は古くからの十王堂建築の形態を現在に伝える貴重な遺構として、野沢温泉村指定文化財に指定されている。十王信仰とは、人が死ぬと成仏する前に10人の王から生前の正悪が判定されるという教えで、秦広王(しんこうおう)、初江王(しょこうおう)、宋帝王(そうていおう)、五官王(ごかんおう)、閻魔王(えんまおう)、変成王(へんじょうおう)、泰山王(たいざんおう)、平等王(びょうどうおう)、都市王(としおう)、五道転輪王(ごどうてんりんおう)が所謂裁判官に当たる。一般的に人が死ぬと葬式以外にも初七日や一周忌、三回忌等、様々な法要が行われるが、その都度、1人の王の裁きが行われる為、成仏するには計10回の法要が必要な事になる。

健命寺 野沢菜/KENMEIJI & NOZAWANA

健命寺の境内へと至る急な石の階段は、大きな針葉樹の木々に取り囲まれており、ここを神秘的であり美しい場所にしている。この禅宗の曹洞宗の古いお寺は、4世紀以上前に山腹に建てられ、地元で栽培される葉野菜の野沢菜の発祥の地と言われている。1756年に8代目住職が研鑽のために京都を訪れ、天王寺蕪というカブの一種の種を持ち帰った。野沢温泉でこの種が播かれるやいなや、元の種類のものよりもずっと葉や茎が大きく育った。この寺の境内には今でも野沢菜畑が残っており、代々伝えられた貴重な宝である「寺種」を購入することができる。

野沢温泉名物「野沢菜」は、11月初めから半ばにかけて村のあちこちで取り入れが行なわれる。

そして、野沢温泉の風物詩ともいわれる「お菜洗い」が始まる。早い年では、初雪も舞っているが、「お菜洗い」は外湯の中で行われる。村民たちはここで世間話をしながら、ていねいに1mほどもある野沢菜を洗う。洗い清められた野沢菜は、大きな桶に漬け込まれる。年が明けて、「道祖神祭り」がはじまる頃には、美味なる野沢菜漬けが味わえる。

高野辰之記念館/おぼろ月夜の館

おぼろ月夜の館は、20世紀前半に活動していた、日本の有名な作詞家で国文学者、高野辰之  (1876-1947) の業績を称えるための記念館です。高野は、国内の小学校で使われている唱歌のいくつかを作詞している。彼が作詞したものには、世代を超えて歌い継がれ、今なお非常に人気のある「春がきた」 (1910) 、「もみじ」(1911) 、「故郷」 (1914) などの有名な曲がある。

1階には、著作物、日記、手紙など彼の数々の作品や身の回り品の常設展示室となっている。とくに目を引くのは、彼が使用していたオフィスの実物大のジオラマだろう。高野はこの小さな温泉村で約12年間過ごしたので、野沢温泉とは特別の繋がりがある。彼は1934年以降、1943年に完全に野沢温泉に移住するまで、毎年夏に、麻釜近くの別荘「対雲山荘」に滞在していた。

2階は展示物が定期的に入れ替わる特別展示室。2階に上がる際には廊下の大きな窓から、村の名産、野沢菜の畑が見える。窓には精巧に作られたステンドグラスがはめ込まれている。3階には休憩所が設置され、カラフルで巨大な灯篭の道祖神火祭りのレプリカが飾られている。

外湯/SOTO YU

野沢温泉は江戸時代(1603〜1868年)に温泉街として栄えた。当時はアルカリ性のミネラル分の豊富な温泉を飲んだりそれに浸かったりするのはいくつもの病気を治すと言われていた。特に野沢温泉が誇りにしているのが、外湯と呼ばれる、この地域に点在し、「湯仲間」の地元の家庭が経営する13の共同浴場。こういった浴場の大半は歩いて行ける距離にあり、その古く江戸時代からの建築様式に似た木造の建物ですぐにそれとわかる。施設は落ち着いた雰囲気とひなびた素朴な造りを兼ね備えていて、男性女性それぞれ1室ずつで、10人用くらいの広さの浴槽と脱衣場がある、と思い描いてみよう。

全ての浴場は、地元の天然の源泉(摂氏40〜90度)から絶えずお湯が流れる注がれる温泉(源泉かけ流)が備わっている。浴槽のお湯の温度は様々だがが、普通は摂氏45〜49度。初めての人にはこのお湯はちょっと熱いかもしれないが、その温度に慣れたとたんに、老化防止効果を謳い、皮膚をすべすべにするその絹のように滑らかで、ミネラル分豊富なお湯から体も心も恩恵を受けるだろう。熱すぎれば、冷たい水を加えて温度を調節することもできるが、あらかじめ他の客にお湯の温度を変えてもいいか聞くことが大切。

温泉施設に水着はふさわしくないことをお忘れなく。さらに、浴槽に入る前に、他の客のじゃまにならないように、座ったまま体全体を洗うこと(タオルと石けんをお忘れなく)。この13の共同浴場には入場料はないが、維持費のために寄付してほしい。寄付金箱はそれぞれの浴場の入り口の横に設置。

一部の外湯施設の隣にひとつだけ屋内の湯溜まりがあるのを見かけるかもしれないが、これは村人たちが洗濯や野菜洗いなどの日常の作業をするのに用いられているもの。それぞれのユニークな建物を眺めたり、それぞれの浴場の前にあるチェックポイントでスタンプラリーに参加してみよう。

麻釜/OGAMA

野沢温泉の必見の場所のひとつが村の共同の野外キッチンである麻釜。野沢温泉の30の源泉の中でも最も熱い源泉から名前を取っており、斜面の一番上にある。麻釜には摂氏90度の湯気が出るほど熱い鉱水が止めどなく流れ、5つの大きさの異なる湯溜まりがある。地元の人たちはその湯を洗い物や、野菜や卵を茹でるのに使っている。ミネラル分が豊かなお湯は、食べ物に驚くほどおいしい風味を加えくれるとのこと。特にこの地域の特産品である野沢菜は温泉で茹でた後、えぐ味が消えると言われている。

麻釜へ行くことができるのは地域の人々に限られており、安全上の理由から、訪問客は湯溜まりに近づくことはできない。しかし、それでも十分近い距離からその光景を見ることができるし、朝方の眺めが一番。この地域の名物にもなっている温泉卵を味わうには、麻釜と湯らりを結ぶ路地を歩こう。湯らりには数ある町の足湯のひとつと、予め購入した卵(路地沿いのお土産物店で買うことができる)を茹でるための湯船がある。卵が食べられるようになるのにおよそ20分必要。野沢温泉には素晴らしい眺めとともにリラックスできる足湯があるので、間違いなく待つだけの価値はある。

/Food

野沢温泉は小さな村だが、昔ながらの食堂から本格的なフルコース料理、懐石料理、おしゃれなカフェ、居酒屋、バーまで、さまざまな飲食店がある。また、村には 温泉まんじゅうの店や土産物屋もある。

 

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